
【作品名】たったひとつの冴えたやりかたは、今日も不採用だった
【作者名】那崎圭介 さん
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少子化問題を数字も交えながらわかりやすい文章で、コンパクトにまとめてストーリー化した切れ味鋭い一作です。
少子化問題対策に若者がブラックな提案で解決を導き、その提案を老人たちがさらにブラックな理由から却下するという二重構造が綺麗に填っていて、読み手に笑いと爽快感を与えます。理由付けはある種ステレオタイプではありますが、それが逆に「こんなこと実際にありそう」という印象を読者に与えることに役立っており、ステレオタイプな部分は組み合わせの妙で処理する手法は見事だと思います。
また、現在叫ばれている少子化問題が財政上の問題のすり替え及び転嫁であることも暗に指摘しており、様々な問題に対する提起を含んだ興味深い一作であると思います。
【作品名】ファチズムといっしょ
【作者名】朝倉 昭 さん
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ドタバタモノに分類されるであろうと思われる一作。ともかくそのエネルギー量とスピード感には圧倒されるものがあります。
少子化懸念から政府が性的ファシズム政権を確立していくというエロ&ユーモア全開のお話で、その発想や一つ一つの小物、小ネタの使い方に目を見張るモノがあります。掲示板の方にツッコミがなかったのですが、作者様はひょっとしたら待っているかもしれないのでツッコんでおこうと思うんですがユキエとアベちゃんってTRICKかよ。
もちろん笑えるだけではなく、その風刺自体が少子化問題への懸念を表明しているわけで、それだけにオチの希望が一層輝いて見えます。
心より楽しませていただきました。
【作品名】少子化対策最前線
【作者名】網笠せい さん
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場面設定と転換の妙が光る作品、というのが私の第一印象でした。
とにかく最後まで読まないと設定がわからない。最後まで読んで初めてすべてが開けてくるという、二度読むことに意義がある作品です。これは、一読目には男二人が雑談しているだけ、という印象を与えて不利なのですが、会話の妙で推進力を持たせているように思います。個人的見解ですが、このような際にシモネタエロトークというのは最大限の効力を発揮しますし、イベントの雰囲気を鑑みてここに最大戦力を投入した作者様の戦術は的確だと思います。
オチの可朝師匠がアイロニーに満ちています。サバの読み過ぎは詐欺罪が適用されるかもしれませんよ?
【作品名】ラジオ体操第三
【作者名】sleepdog
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正直この作品に真面目なコメントをつけるのは、この作品に対して失礼なような気もしています。
何よりもまず、作者様が今まで培ってきたイメージをすべて棄てるつもりでこの作品を投稿してくださったことに意義があるでしょう。その内容には抑えようとして抑えきれなかったエネルギーの発露とリビドーの暴走、そしてサービス精神の爆発が見られます。
一気に読んで、一気に笑う。そして爽快になったら、忘れてしまう。そんな読まれ方が、この作品には似合っていると思います。何より作者様が、忘れてくれることを願っているような。
【作品名】夢の子供
【作者名】井上斑猫 さん
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358字の、超短編の文字数で投稿いただいた一品です。アイデア一発、切り口一刀のショートストーリー。
アイデアを膨らませればさらに面白い作品になりそうな予感もしますが、綺麗にコンパクトにまとまった小品でした。
【作品名】少子化対策(3作品)
【作者名】『御ち葉の黄色』代表 さん
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『ゴム使用税』
ちょっぴり強引ではありますが、言葉遊びの妙が光る一品です。
『こども市』
ちょっぴり危険なブラックユーモア作品。子ども売買ネタに関しては敬遠される方も多いと思われますが、風刺、批判文学の側面としてタブーをどう切っていくかというのも大事な要素だと私は思っています。ただ正直、この作品は子ども売買ネタという危険度の高いネタを持ってきた割に切り取り方はあまり成功していないのではないか、とも思います。
もしもこういう切り取り方をするのであれば、読者を笑わせながらも、おそらく作者様が持っていらっしゃるであろう諦観や義憤が底に覗けるような、そんな作品であればよかった。言うは易く行うは難しですが、それだけのことを望んでいいネタだと思います。
ただ、そういった部分に果敢に挑戦した心意気は買いたい。
『インタビュー』
『ゴム使用税』の言葉遊びを拡大して、様々なネタを混ぜ込んだ進化型といえる一品。こういった時事ネタの使い方の妙というのは私も見習いたいです。
【作品名】ホーリーアイテム
【作者名】コハリト さん
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以前明るい家族計画祭りの際にご投稿いただいた明るい家族計画の続編。
前作は「ナマでヤりたいと思っているのに体裁を構うと痛い目を見る」という教訓を含んだ作品でありましたが、実際には体裁を構わないなら構わないで後々もっと痛い目を見る危険性が潜んでいるのは皆様ご存じの通りです。うん。わざと話を逸らせています。
で、今作は「世の中はおしなべてノーモアエンジェル」であるという教訓を含んだ作品でありました。うん。わざと話を逸らせています。
ともかく大笑いできる作品であったと、それ以外に言葉はいらないような気がします。面白かったです。
【作品名】頂きにとろみの白雪
【作者名】高橋京希 さん
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不思議な味わいのある作品です。描かれているのは倒錯の世界ですが、そこには確かに愛が存在しているのかどうか。
最後の一段落に、作者様の叫びが込められているのでしょう。「少子化なんて、存在しない」と言い切ってしまったのは見事です。
【作品名】明るい少子化対策 〜たまに双子入りもあるらしい〜
【作者名】コハリト さん
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防災の日、子宝缶という道具立てが面白い作品です。アイデアの勝利。
彼と彼女の会話も軽快で、気楽に読むことができます。あと、コハバヤシ首相はやはりツッコんでおくべきところでしょうかどうでしょうか。
【作品名】しょうしか
【作者名】梅子石 さん
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強引な言葉遊びを積み重ねて笑いを誘うという独特の芸風の一品。作者様ならではの持ち味が存分に活かされています。静寂を作中から読み手の周辺まで広げるメタ的な部分や、解答を予想させるクイズ的な部分を含め読者一体型の作品であるともいえるかと思います。
【作品名】世界の中心、出会いをさけぶ
【作者名】せいよう(D∃PT) さん
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この作品以前に公開された一連の作品群をパロディ化して一つの作品に仕立て上げたという実験的な作品です。
内輪ネタの強みを存分に活かした局地戦用特化作品で、当サイト界隈の雰囲気や流れを知らない方には面白みがわからない作品ではあると思いますが、端からそういった部分を棄てて一点集中したのはお祭りの雰囲気に相応しい一撃であったと思います。楽しませていただきました。
【作品名】小学生からの楽しい少子化対策
【作者名】リーブ さん
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危険な作品その2。色々な意味でギリギリです。
最近発覚する教師の不祥事は驚くほど多いですが、その中でも群を抜いているのが盗撮、強制猥褻などの性犯罪であるというのがその実態を象徴しているような気がしますね。こんなイベントが実際に催されたらもう、それは鎖を外された獣。
本質とずれますが、この世の中で女性が生きていくのは大変だなあ、といったようなことを思いました。
【作品名】失笑率アップ大作戦!
【作者名】S∃140(D∃PT) さん
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小話二本立ての小品です。ところでどうして私はあちこちの作品で登場人物らしきモノとして出没しているんだろう。これも愛ですか。
一作目『世界の中心、出会いをさけぶ』と同じく、Gホーンなどといった小ネタが光ります。タイトル通り「失笑」を狙ったと思われる話運びでした。
【作品名】覗き
【作者名】瀬川潮 さん
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アイデアの面白さが光るショートショート。タイトルはもう少し凝ればインパクトもあったかもしれません。
AV女優チップス、袋とじというアイデアが何といっても楽しい。間にサラリと持論?を滑り込ませる筆運び、さらにそれが伏線にもなっているところにテクニックを感じさせます。お見事でした。
【作品名】緊急時におけるヒューマン・サプライの新技術
【作者名】sleepdog さん
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理詰めの作品は読者を納得させること、そして興味を持って読み進めさせることがまず一番に求められるのですが、本作は作者様の本領発揮と申し上げていいのか、流れるように興味を持って読ませてくれます。シモネタエロトークの戦術的投入は小説でも公演でも効果大ですよね。
【作品名】避妊禁止法
【作者名】まえぞう さん
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国内で手に入らなければ外国から入手するだろう、というロジックと、それをオチに持ってくる話運びが秀逸な一品でした。掌編小説、ショートショートを読むときの楽しみは何といってもこういった想像力の輝きを見られることですね。面白かったです。
オチがちょっと冗長かも? 短いセンテンスで切れ味鋭く決まっていれば印象が一変するかもしれません。
【作品名】呪いの洞窟
【作者名】sleepdog さん
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ホラー調の書き出しから少しずつ……と言っていいかは疑問ですが、別の方向へとスライドさせていく手法は見事です。おそらくこの場所、この企画でなければ大きな効果があったでしょう。うん。これは作者は悪くない。
オチの段落全体が、これはもう素晴らしい。短い会話でほの見える人物の造型とか、オチの中でさらに半転がしさせたところで着陸させたことで、締まった作品に仕上がっていると思います。
楽しませていただきました。
ああ。個人的に一ヶ所、大いに気に入らない部位があるのですけど、あえて言わなくてもわかりますかそうですか。
【作品名】犬殺し油の地獄
【作者名】乳製食用脂肪犬(仮) さん
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今こそわかる。sleepdogさんが犬祭で、鬼緑先生の御作にどれほど講評をつけにくかったが。
近松門左衛門の「女殺油地獄」を下敷きにし、文体も歴史・時代小説的な言い回しで雰囲気をつくりあげている作品ですが、形態としてはスマートなショート作品に仕上がっています。
……と書きましたが、この作品の本質がそこではないのは、本企画に参加してくださった皆さんがよくご存じのとおりで。こればかりはもう、この企画が盛り上がっていたときのサイトや掲示板の流れを知らなければ、わからないでしょう。
色々な意味で、作者様には拍手を贈りたいと思います。
【作品名】ぼくのしょうしかたいさく
【作者名】リーブ さん
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213字という、本企画最短の作品。内容も文字数に見合ったミニコント風になっています。
オチに味がありますね。漫画化したいという感想もありましたが、普段小説を書いている人種とはまた違ったセンスが垣間見えるような気がします。
【作品名】女をその気にさせるテク
【作者名】高橋京希 さん
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リーブさんの作品のあとというのが狙ったようでもありますが、こちらはまさにいい意味でも悪い意味でも「普段小説を書いている人種」の作品であると思います。
「普段小説を書いている人種」はご存じのとおり、本作は太宰治の生き様を下敷きにしています。そこに己の叫びを重ね合わせ、反応したところにエネルギーの発露が見られるように思いました。
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Copyright(C)Chabayashi Shouichi. 2005.9.15