世界の中心、出会いをさけぶ
ここに一つの寓話がある。
しかし、あるいはこれは三隣のお宅の真実なのかもしれない――
*
埴美国は深刻な少子化に悩まされていた。
「これでも乳のつもりかーっ!」
宮廷中に王の声が激しくこだまする。
泣きながら退室した女と入れ替わりに大臣らが入ってきて訴えた。
「恐れ入りますがベルディ様、そう選り好みをされますといよいよわが国の子どもの数が……」
「ひいては近い将来、人口全体が半減することになり……」
埴美国は、その世界を統べる王ただ一人が、精巣を持つ。しかしながらこの王、並々ならぬフェティシストであった。好物はスイカやメロン。イチゴなど見向きもしない。だが鮮度良い前者など、そう簡単に出会えるものではない。
「はあ、困ったもんだよ」
「ほんと、何が『F以上でなければイケナイ』だ」
「まったく、色んな意味でイケナイ王だな」
「こうなりゃ、もう昇天してもらうしか」
「クーデターか」
大臣たちの顔が明るくなった。
「……いや、待てよ。立てる王候補がいない」
『あっ……』
再び一同の表情は曇った。
「せめて、それだけでも生まれないと」
こうして腹黒い計画は未遂に終わった。
「こうなりゃ、もう女たちを変えるしか」
早速、あらゆる性策が実施された。
学校の道徳や教会の説教の時間には、心の豊かさ・胸の大きさ・王の寵愛の比例を説く三位一体論が刷り込まれた。一定サイズ未満の乳主は男同様に徴兵対象とされ、その不安を除く意味でもラジオ体操第三が推奨された。また、注文研究所はサイズやカップに応じた免税率の策定委託を受けて知恵と乳を絞った。
こうした“鞭”に加え“飴”として、身分不問の妾登用など参性権拡大が推し進められ、柔軟性保持のために子育ては免除されることになった。そして棚ボタ感を強調し、女性の心を惹きつけようとした。
一方、男子は賞金を求めてカップアップ伝説のホーリーアイテム探索に精を出した。王にはニューアドバイザとして京君が迎えられた。
「この間の性果が報告書になったぞ」
「どれどれ」
『ああ……』
読んだ一同は暗い顔になった。
「ストレスで平均ワンサイズ縮んだだと……」
こうして腹緑な計画は失敗に終わった。
「これでも父になりてんだーっ!」
宮廷中に王の声が空しくこだまする。
埴美国は深刻な小乳化に悩まされていた。
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余談:このフラッシュを紹介して王を諫めようとした社会の忠臣がア痛と叫んだものの、既に首は飛んでいたとか。