夢の子供
「国民の立場で考えてみましょう。補助金の申請は面倒くさい、審査に対する不満も出る、そして自治体にとっては手続きにかかる人件費もばかになりません。個人個人への養育費補助は一切打ち切りとし、その予算の一部を賞金にあてる事とします。金額は各自治体ごとに定めるとしても良いでしょう」
彼は一旦言葉を切り、唇を湿した。
「国民を駆り立てるものは夢です。それも棚ボタな夢です。一日に流れる競馬・パチスロ・宝くじ関係のCM本数を考えてみてください。私はこれを全く新しい養育補助システムとして提案します。具体的には、出生届と引き換えに番号券を渡し月一回当選番号を……」
だが、俗に「ドリームチャイルド宝くじ」と呼ばれたこのプロジェクトは第一回施行後ただちに廃止された。
当選発表後外れくじをそのへんに捨てていく者が多かったからである。