
明るい家族計画 梅子石
わたしがPCからテレビへ目を移すと、各局がその模様を中継していた。
「ナタリー婚約記者会見」
画面に煽られた文句の裏には、一人着席する彼女の姿があった。
某SF映画出演後、数年間コレという活躍のなかった彼女だが、2005年公開された『The family plan』が世界中で喝采を浴びた。
再びハリウッドのトップスターへと登りつめた彼女。しかしその彼女が、なぜ日本で会見を行うのか。
原因は、その映画の原作を手掛けた婚約者にあるらしい。
バン!
会見場の扉が開き、記者達が一斉に注目する。
どうやらその婚約者が、遅れて入場してきたようだ。
「待ったかい? ナタリー」
そう言いながら急いで目出し帽を脱ぎ捨て、着席しようとしてつまづき転んだくいだおれ人形を視線の隅に追いやると、わたしはチャットに残る罵倒を掃除して、緑色の掲示板にこう書き込んだ。
「ありがとう。さようなら。 梅子石子」