明るい家族を計画されるモノたち  杉夜しん


 名前、なににしよう?

「……男なら冬彦。女なら冬子だな」
 考えた末の単純な名前。
 それでも嬉しそうに笑った。

(……もうすぐだ……)
 なんともない高揚感と緊張感が心地よいため息を生む。


 十日後。
 我慢できなくなった僕は声を上げた。
「まだか? 早く産んでくれよ」
「もう少し待って……かなり重いわ」

 さらに十日後、
 度重なる我慢で理性を失った僕は自分のフロッピーを挿入し、コピーをぶちまけた。

 頭の中で決まられた文字が悲鳴を上げる。

 .....copy complete

 瞬間。

 .....delete complete


 モニターの向こう側。

「……あれ? あぁ〜あ、また自分で“切り取り”したヤツが出ちゃったよ。あいつ、あと二日で死刑判決されるヤツだよな?」
「まっ、仕方ないね。大人しくデリートされるより脱走したいってのは人間(ファイル)の性っしょ。それより早く検索しちゃって」

 管理(ファイル)化された人間たち。
 どんなプライベートも無く、犯罪も人口も激減していた。

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